両陛下とは誰を指す?天皇皇后と上皇ご夫妻の敬称マナーと違いを徹底解説
皇室のニュースや公式行事の報道で毎日のように耳にする「両陛下(りょうへいか)」という言葉。なんとなく「天皇陛下と皇后陛下のこと」と理解していても、具体的に誰と誰を指すのか、上皇ご夫妻との呼び分けはどうなっているのか、正確な定義を問われると迷う方が少なくありません。
日常の会話やビジネススピーチ、公の場での文書作成において、皇室にまつわる敬称マナーは知っておくべき必須の教養です。この記事では、皇室典範の法的根拠から「陛下」と「殿下」の決定的な違い、現場で恥をかかない正しい言葉遣いまで、分かりやすく整理して解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「両陛下」とは原則として「天皇陛下と皇后陛下」の2人を一括して敬称する言葉であり、単独ではなくご夫妻を指す。
- 要点2:上皇ご夫妻は「上皇上皇后両陛下」と呼び、秋篠宮ご夫妻など一般の皇族方は「両殿下」となるため混同に注意が必要。
- 要点3:「両陛下様」などの二重敬語は誤用であり、皇室典範第17条に基づく「陛下」と「殿下」の使い分けが敬称マナーの基本。
【基礎知識】「両陛下」の正しい意味と読み方|誰を指す尊称なのか?
「両陛下」の読み方は「りょうへいか」です。「両」は「お二人」、「陛下」は最高位の敬称を表し、文字通り「二人の陛下」を一括して呼ぶ尊称です。
日本の皇室において、単に「両陛下」と呼ぶ場合、現在皇位にある天皇陛下(今上天皇・徳仁陛下)と皇后陛下(雅子皇后陛下)のお二人、すなわち「天皇皇后両陛下」を指します。ニュース報道で「両陛下は本日、〇〇へ行幸啓されました」と報じられる場合、天皇陛下と皇后陛下がご一緒に行動されていることを意味しています。
なお、2019年の御代替わり(退位礼および即位の礼)に伴い、前天皇・前皇后であられる上皇明仁さまと上皇后美智子さまの敬称も法律上「陛下」のまま維持されています。そのため、上皇ご夫妻をお二人揃ってお呼びする際は「上皇上皇后両陛下(じょうこうじょうこうごうりょうへいか)」と呼ぶのが正式な表現です。文脈上、どちらのご夫妻を指しているのかを明確にするため、メディアでも「天皇皇后両陛下」「上皇上皇后両陛下」と区別して報道されています。

【法律と定義】皇室典範の敬称規定に見る「陛下」と「殿下」の決定的な違い
皇室における敬称の使い分けは、単なる慣習ではなく、日本の法律である「皇室典範」によって明確に定められています。
皇室典範第17条には、以下のように明記されています。
「天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。」
(※退位特例法により、上皇および上皇后の敬称も「陛下」と規定されています)
つまり、皇室の中で「陛下」と呼ばれる資格を持つのは、天皇・皇后、上皇・上皇后のみです。皇太子、皇嗣(秋篠宮さま)、親王、内親王、王、女王といったその他のすべての皇族方に対して使われる敬称は「殿下(でんか)」となります。
したがって、秋篠宮ご夫妻をお呼びする場合は「両陛下」ではなく「秋篠宮同妃両殿下(あきしののみやどうひりょうでんか)」または親しみを込めて「秋篠宮ご夫妻」とするのが正しい敬称マナーです。
【一覧で比較】天皇陛下・皇后陛下・皇族方の呼び方と敬称ルール
皇族方の身位と、それに伴う正しい敬称、報道や日常での呼称マナーを一覧表にまとめました。
| 身位・お立場 | 正式な尊称・敬称 | 英語表記・国際基準 | 一般的な呼称・マナー |
|---|---|---|---|
| 今上天皇・皇后 | 天皇皇后両陛下 (単独:天皇陛下/皇后陛下) | Their Majesties the Emperor and Empress | 最も標準的な「両陛下」。単独で「天皇様」と呼ぶのは誤り。 |
| 上皇・上皇后 | 上皇上皇后両陛下 (単独:上皇陛下/上皇后陛下) | Their Majesties the Emperor Emeritus and Empress Emerita | 「上皇ご夫妻」とも表現される。敬称は依然として「陛下」。 |
| 皇嗣(秋篠宮家) | 秋篠宮皇嗣同妃両殿下 (単独:文仁親王殿下/紀子妃殿下) | Their Imperial Highnesses Crown Prince and Crown Princess Akishino | 敬称は「殿下」。「秋篠宮両陛下」と呼ぶのは明確な間違い。 |
| 内親王・女王 (愛子内親王、佳子内親王など) | 敬宮愛子内親王殿下 佳子内親王殿下 | Her Imperial Highness Princess Aiko / Kako | 報道では親しみを込めて「愛子さま」「佳子さま」と表記されることが多い。 |

【実態検証】メディア報道と宮内庁発表に見る「両陛下のご公務とご日程」
宮内庁の公式発表資料や報道各社の動向を見ると、「両陛下」という言葉が最も多く使われるのは、お二人が揃って公的な行事に臨まれる「ご公務」や「ご日程」の発表時です。
天皇陛下のお仕事には、日本国憲法に定められた「国事行為(内閣総理大臣の任命や法律の公布など)」と、象徴としての「公的行為(式典へのご臨席、地方への行幸啓、外国賓客の接遇など)」があります。このうち、国事行為は天皇陛下お一人で行われますが、国民と直接触れ合われる行幸啓や宮中晩餐会などは、原則として「天皇皇后両陛下」としてお二人で臨まれます。
宮内庁関係者の発言や現場取材の記録によると、地方訪問先でのお声がけや被災地のお見舞いにおいて、両陛下は常に役割を分担しながら、被災者一人ひとりの目線に合わせて温かく対話を重ねられています。こうした「お二人で国民に寄り添う姿」が報道されることで、「両陛下」という尊称が国民の間で親しみとともに定着しています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「両陛下様」はなぜ間違いなのか?
日常会話やSNSの書き込みを見ていると、皇室への敬意を表そうとするあまり、文法的に誤った表現を使ってしまっているケースが散見されます。代表的な誤用例を確認しておきましょう。
1. 「両陛下様」「天皇陛下様」という二重敬語の誤り
非常によく見られる間違いが、「両陛下様(りょうへいかさま)」や「天皇陛下様(てんのうへいかさま)」という表現です。「陛下」そのものが最高位の敬称(接尾辞)であるため、さらに「様」を重ねると二重敬語(過剰敬語)になり、日本語として不自然です。「両陛下」「天皇陛下」だけで十分に最大限の敬意が含まれています。
2. 「天皇様」「皇后様」という略称
民間の方が親しみを込めて「天皇様」「皇后様」と呼ぶことがありますが、公式なマナーとしては「天皇陛下」「皇后陛下」が適切です。「様」ではなく「陛下」を用いるのが皇室典範に即した正式な作法です。
3. 一般皇族に対する「両陛下」の誤用
皇位継承順位第1位である秋篠宮ご夫妻を「秋篠宮両陛下」と呼んでしまう事例です。前述の通り、秋篠宮家をはじめとする宮家の方々の敬称は「殿下」であるため、お二人を指す場合は「秋篠宮ご夫妻」または「秋篠宮同妃両殿下」と表現します。

【プロの結論】言語社会学から読み解く敬語のインフレと正しい敬称マナー
現代の日本語環境では、失礼を避けようとする心理から敬語を過剰に重ねてしまう「敬語のインフレ現象」が頻繁に起きています。「両陛下様」や「各位様」といった表現が生まれる背景には、言葉の本来の成り立ちや法的定義への理解不足があります。
「陛下」という言葉の語源は、古代中国において「宮殿の階段(階)の下に控える近侍を通じて奏上する」という極めて慎み深い姿勢に由来しています。直接お呼びすることすら憚られるほどの最高位の存在を敬う言葉として成立しているため、現代の私たちが「様」を付け足す必要はまったくありません。
公の場やビジネスの席で皇室の話題に触れる際は、過剰に飾るのではなく、「法律に則った正しい敬称(陛下と殿下)をシンプルに使い分けること」こそが、最も品格のある知的な敬意表現となります。
【両 陛下 と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「両陛下」は誰と誰のことですか?
A1:現在の日本の皇室において、単に「両陛下」と言う場合は「天皇陛下(徳仁さま)と皇后陛下(雅子さま)」のお二人(天皇皇后両陛下)を指します。上皇ご夫妻を指す場合は「上皇上皇后両陛下」と呼びます。
Q2:天皇陛下と皇后陛下をお一人ずつ呼ぶときの正しい敬称は?
A2:単独でお呼びする場合は「天皇陛下(てんのうへいか)」「皇后陛下(こうごうへいか)」となります。「天皇様」「雅子様」ではなく、「陛下」をお付けするのが正式なマナーです。
Q3:「陛下」と「殿下」の違いは何ですか?
A3:皇室典範第17条により定められており、「陛下」は天皇・皇后・上皇・上皇后・太皇太后・皇太后のみに用いられます。それ以外の皇族(秋篠宮さま、愛子さま、佳子さまなど)には「殿下」を用います。
Q4:手紙やスピーチで「両陛下様」と書いても良いですか?
A4:不適切です。「陛下」自体が最上級の敬称であるため、「様」を重ねると二重敬語(文法的な誤り)になります。手紙やスピーチでは「天皇皇后両陛下」または「両陛下」と記載してください。
まとめ:美しい日本語と皇室敬称マナーを正しく身につけるために
「両陛下」とは、国家の象徴として国民に寄り添われる天皇陛下と皇后陛下のお二人を敬愛を込めてお呼びする最高峰の尊称です。
皇室典範に基づく「陛下」と「殿下」の明確な違いを理解し、「両陛下様」といった過剰な表現を避けて正しく言葉を使うことは、社会人として身につけておきたい大切な教養の一つです。ニュースや日常の会話の中で皇室の話題に触れる際は、ぜひ今回ご紹介したルールを意識してみてください。 (出典: 両 陛下 と は(Yahoo!ニュース))